ADHDとはAttention Deficit Hyperactivity Disorder(注意欠如多動性障害)のことです。発達障害のひとつで、字のごとく、注意力が低かったり、多動であったりします。注意の低さだけが目立つ方、多動だけが目立つ方もいれば、両方とも目立つ方もいます。
具体的には、忘れ物やうっかりミスが多かったり、落ち着きがなくいつも動き回ったり何かを触ったりしてしまいます。
大人(成人)になってからADHDを『発症する』というわけではありません。ADHDは生まれながらのものですので、幼い時から不注意や多動があったはずです。大人(成人)になる今まで、問題が生じないように本人・周囲が努力や工夫を重ねてこられた場合もありますし、繰り返し問題が生じ『やる気がない』『気持ちが足りない』『だらしない』など言われ続け耐え続けてこられた場合もあります。
このような方が大人(成人)になって初めて精神科を受診され、診断されるようなケースを『大人のADHD』あるいは『成人のADHD』と呼ぶことがあるだけで、医学的に正式な名称ではありません。
大人(成人)になると、物事をひとりで担うことが多くなり、物事に対する責任も大きくなります。そのような中で『頑張っているはずなのに周りの人よりも失敗が多い』、『頑張っているはずなのに周りの人のように物事ができない』ために自信がなくなり、気分が落ち込むことで精神科を受診され、ADHDの存在が明らかになるという場合もあります。
薬物療法の適応があります。抗ADHD薬としては、アトモキセチン(ストラテラ)、グアンファシン(インチュニブ)、メチルフェニデート(コンサータ)、リスデキサンフェタミンメシル酸塩(ビバンセ)が存在します。
当院ではアトモキセチン(ストラテラ)、または、グアンファシン(インチュニブ)での治療を行います。